生命保険金と遺産
亡くなった人が生命保険に加入していたなら、その人の生命保険金が受け取れます。生命保険金の受取人に指定されている人の財産です。亡くなった人自身が受取人なら、その生命保険金は相続財産となりますから、相続人が遺産分割協議をして分けましょう。
協議で、どのように分けるかが決まればそれで構いませんが、協議がまとまらないと、結果的には法定相続分どおりとなることが多いようです。
生命保険金の請求
保険会社に保険金を請求する際、共同相続人(法定相続人となっている人たち)を誰かが代表して請求するのが普通です。その代表が必要書類を取りまとめて、保険会社に送付し、保険会社からその代表の口座に入金してもらって、その後、各相続人に分配します。いくらずつ分配するかは、遺産分割協議書にきちんと書いておきましょう。
しかし、誰も代表になりたくないとか、代表人に自分の印鑑登録証明書や戸籍謄本を預けたくないから代表を選べないという場合もあります。
その場合、行政書士が相続人全員から委任されて、全員の代表として保険金を受け取ることができます。
生命保険金請求とマイナンバー
マイナンバー制度ができたので、生命保険金を受け取るときはマイナンバーを保険会社に通知しなければなりません。共同相続人の中から代表を選出する場合には、その代表に相続人全員のマイナンバーを知らせることになります。共同相続人に自分のマイナンバーを知らせるのが不安なので、代表にも教えたくないとなれば、やはり行政書士などが代理人となって全員の分の保険金を受け取ることができます。
行政書士が代理請求
このとき、行政書士は行政書士としての印鑑証明書と自分(行政書士個人)のマイナンバーを保険会社に送ります。外形的には、行政書士が故人の生命保険金を受け取ったように見えます。確かに保険金を受け取りますが、あくまでも預かっただけなので、行政書士のマイナンバーを提示するとしても、実際に保険金を受け取る相続人のマイナンバーの提示が不要(2016年10月現在)というのはおかしいような気がします。
ただ、お金の流れとしては、保険会社→行政書士→各相続人 です。
行政書士としては、後日、この保険金は代理して受け取ったもので、自分は所持していないことの証明を税務署にできるようにしておきます。具体的には遺産分割協議書の写しを保存しておきます。
お金の流れを明確に
これで生命保険金が行政書士を経由して渡されたことはわかりますが、行政書士から各相続人が受け取ったことを明らかにするために、今後、手続きが変わると聞いています。