Contents
特別受益
- 被相続人は、特に遺言書等で明言しなくても、相続人(特に子供たち)を平等に扱いたいに違いない(これはローマ法に由来する考え方)、ということと
- 特別受益は相続財産を前渡ししたものだから、遺産に算入して計算しないと、遺産分割協議での計算が合わなくなる(これはゲルマン法に由来する考え方)
ということのようです。
誰がもらったのか – 相続人と他人の場合
ですから、特別受益としてもらったかどうか、特別受益だから相続開始の際に返還するのかということは、相続人について考えればよいことです。
相続人以外に財物をあげる(贈与)することはあるでしょうが、それは
- 「相続人を平等に扱う」ということにも、
- 「いずれ相続させることになる財物の一部を、前もってあげておくと都合が良い」ということ
にも関係がありません。相続人でないなら、生前に「プレゼントしてもらった」のと同じようなことです。遺産分割協議に参加する必要もありません。(生前のプレゼントでも、相続人に返さなければならないこともあります。)
相続放棄をすると、財産をもらえない代わりに、借金を背負わなくて済むというメリットがありますが、相続人が相続放棄をすると、相続開始時にさかのぼって「相続人ではなかった」とされるので、借金も背負わないし、「もし相続人なら特別受益として持ち戻さなければならないもの」も返さなくてよい場合があります。
とはいえ、相続放棄は、そうやたらとするものではないでしょう。
もし相続放棄するなら、専門家に依頼しなくてもいくつかの書類を集めるだけですから、自分でなさる方も多いです。
手続きは裁判所に行くか郵送でしますから、もし気が重ければ専門家が代行します。内容証明郵便や示談書の作成などは、専門家に相談しなかったために自分が不利になったというケースはありますが、相続放棄の手続きに関してはそういうことはないと思います。手続きでわからないところがあれば裁判所の係員に尋ねればよいでしょう。