寄与分というもの
共同相続人の中に、被相続人の事業を助けたり、被相続人の療養看護をしたりして、被相続人の財産を維持したり増やすなど特別の寄与(貢献)をした人がいる場合は、被相続人が相続開始の時に有していた遺産からこの寄与の分を先に差し引いておきます。寄与者は自分の相続分の他に、この寄与分をもらうことができます。
「財産を維持したり増やすなどの特別の寄与」という条件が付いていますので、たとえば、会社を経営している人の妻が従業員のようにたくさん会社の仕事をしていた場合などが該当しそうです。
他の兄弟姉妹よりも、自分が親の老後の世話をしたからたくさんの相続分がもらえるということは、法律上はあまりないと思います。法律の規定がどうなっているかではなく、兄弟姉妹などの法定相続人が遺産分割協議の中で、「親の世話」をしたことについて、たくさんの相続分をあげると決めるのは自由です。
調整は必要
遺産分割協議では結構問題になるようです。遺産分割協議というのは、1回で全員の意見が完全に一致することはほとんどないと思います。家族や兄弟姉妹の「歴史」を振り返りながら(ケンカにならないように)調整することが必要でしょう。
協議の中で調整できればよいのですが、もう協議や話し合いでは結論が出ないとなると、法律での勝負となります。よくあることなのですが、メリット・デメリットを良くお考えください。デメリットが大きいようなら、悔しさは残っても譲歩することをお勧めします。多くの人がたくさんの悔しさを抱えて生活していると思います。
メリット・デメリットの算出方法ですが、相手のあることですから一律には判断できません。その点をご相談しましょう。