相続人不存在
どなたかが死亡なさると相続が開始します。そのとき相続人がみあたらないことを「相続人不存在」といいます。相続人が明らかでないと、財産の帰属先が問題です。
お子さんのいない方、入籍していない事実上のご夫婦などは、周囲の方が相続財産の帰属先に困らないよう、遺言書を作って財産の行方を指定しておくとよいと思います。
親しい方、お世話になった方、縁のあった方など、自分の遺産を誰に何割とか、誰に何をというように指定しておく方法があります。
利害関係人
相続人も明らかでなく、遺言書もない場合、「利害関係人」がいるかどうかが重要です。
利害関係人とは、簡単にいいますと、その死亡した人に何らかの請求をする権利を持った人とか、生前、特別な関係にあったために相続人に準じて財産をもらえるのではないかという人です。
利害関係人のうち、相続人と同然だと認められれば財産をもらえます。逆に、認められなければもらえません。相続人と同然とみられる人を「特別縁故者」といいます。親子や夫婦のように暮らしていると特別縁故者として認定されるかもしれません。事実婚・内縁関係の場合もその可能性はあるでしょう。
誰ももらう人がいなければ、国庫に帰属します。
遺言書の必要性
相続人がいないから、遺言書を作っておくという人はかなりおられます。その場合、本当に相続人がいないのか等の確認の調査も彩行政書士事務所でお引き受けします。
特別縁故者が認められるとしても、手続きには1年以上かかります。精神的にも負担になりますから、遺言書を書いておいてあげた方が親切でしょう。
遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言などがあります。
公証役場へ行く前に
法的に特別縁故者にあたるかどうか心配しなくて済むように遺言書を作成すればよいのです。
- 自筆証書遺言は簡単に作成できますが、不完全ですと法的効力が生じないこともあります。
- 公正証書遺言は、公証人が作ります。信頼のある遺言書形式ですが、これを作成しておけば必ずそのとおりになるとは限りません。場合によっては、内容その他で訴訟になるケースも珍しくはありません。
行政書士に依頼せず、直接公証役場で作成なさる方もいますが、行政書士はあらかじめ事情を聴取して、本人の希望すると思われる内容にまとめ、遺言書案を作成して、公証人と打合せまでしておきます。 - 秘密証書遺言は、公証役場で内容を確認しなくてよいので、なおさら行政書士への相談をお勧めします。内容は秘密にしておけますが、証人は2名必要です。
公正証書遺言と秘密証書遺言には遺言書作成手続きに「証人」が必要です。法律上、証人になれない関係の人もいます。ご自分の知人・友人・遠縁の親戚などを証人にしたくない人も多いので、必要ならば行政書士がご紹介します。(証人には謝礼が必要です。)