扶養・療養看護・相続
「老後の世話・療養看護」と「相続」はかなり関係が深いようです。そのような相談に来られる方も少なくありません。法律で決まっているわけではありません(法律には任意規定と強行規定があります)ので、年老いた方の療養看護を誰が引き受けてもよいですし、相続分も(遺留分の規定があるものの)、遺産分割協議や遺言書でかなり自由に決めることができます。
民法第877条
以下の条文があります。
『直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。』
下の例で、A男は乙を扶養すべきでしょうか?
1,甲男と妻B子との間に乙が生まれました。
2,B子は甲男と離婚し、A男と再婚しました。
3,A男は乙を養子にしていません。
4,乙は成人していますが、生活に困窮しています。
A男は乙を扶養すべきでしょうか。「法律によれば・・・」という人もいますし、人情を優先する人もいます。
家長の義務
家父長制だった頃は、家長が財産を管理し、さまざまな決断をしました。家族・親族は家業に従事し、それらの家族・親族の生活は家長が責任を持ったのでした。
その後、次第に家業だけでなく、その他の仕事をするようになると、家長から距離ができ、夫婦・親子の単位が強くなります。病気や失業などの場合にも、まず夫婦・親子をあてにして扶養しあいます。
生活の困窮
夫婦・親子の小さな集まりでは、「大黒柱」が死亡したりすれば生活に困窮します。そして徐々に自ら積立金を支払うとか、企業が従業員の生活安定に寄与することになります。
それでも不完全な場合に、生活保護制度などが用意されるようになりました。
憲法の精神では「個人」を重視し、私有財産の保障していますから、個人の自助努力や企業の支援でどうにもならない人は、国家が扶養すべきはずですが、「親族扶養優先の原則、私的扶養優先の原則、公的扶助の補充性」といって、国より先にまず親族が扶養するようにということになっています。
困っている人がいれば、まず家族・親族が世話をしたくなるのが自然の心理であるから、それを差し置いて国が手を出すのはよくない、ということのようです。
扶養した人と相続
扶養は現実に親族間で何とかなるものでしょうか。
夫婦と親子を基調とした社会で、ひとつの建物に何世代もの人たちが暮らしているわけではないし、そのように大きな家も少なくなりました。家業に就いているわけでもなく、外へ仕事に行っているのです。夫婦共働きも多く、その上、通勤にはかなりの時間がかかるとなれば家族間での相互扶助は一層困難です。
『直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。』
という条文があるものの、実際にかなり困難という場合もあります。
しかも
『家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。』
ということですから、「同居していない三親等内の親族を扶養せよ」、という裁判所の判断があった場合、その人を扶養した人が、その人の相続に関して特別に考慮されなければ納得できないという人がいるのも当然かもしれません。
遺言書と遺産分割
直系血族や兄弟姉妹だから扶養したとか、三親等内の親族だから扶養したという事情がある場合、扶養された人に
などが問題になることがあります。扶養された人に財産があればなおさらです。
立ち会い業務
遺産分割をするにあたり、相続相談・立ち会い業務をお受けできます。100件の業務をお受けしても、事情は100通りです。正解もないのですが、およそのパターンはありますので、適切な方法をご紹介したいと思います。
川崎の行政書士ですので、中原区・川崎区・幸区・高津区、港北区、大田区・世田谷区の方、東横線・南武線をご利用の方に多くご利用いただいています。