先祖探し

先祖探し

先祖を調べるのはどのようなときでしょうか。
相続開始の際には亡くなった人の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本が必要になりますので、先祖というのは大げさですが、亡くなった人の親の戸籍も(全部ではありませんが)必要になります。場合によっては、亡くなった人が祖父母の戸籍に入っていたことがあるかもしれませんから、祖父母の戸籍を取り寄せることもあります。
以上は、相続手続きの一部であって、先祖探しではありません。

先祖供養

先祖探しの例としては「先祖供養」があります。
いろいろな事情があって、先祖の供養が必要となり、先祖の名前と帰幽の日(亡くなった日)を知りたいということがあります。
場合によるでしょうが、供養は3代遡るようですので、曾祖父母まで調べます。人数はかなり多くなります。

戸籍は、以前は誰でも閲覧可能でしたが、プライバシーとか個人情報の問題で、現在は閲覧や収集が非常に制限されています。戸籍の発給要件が調わないとか、お寺の過去帳さえも見せてもらえないなどのことがあって、場合によっては先祖供養をしたくてもできないということになります。お寺の過去帳が見られないのはお寺の都合ではなく、個人情報保護法があるためです。

「先祖供養」のほかに「仏壇を新しくする」とか「墓を作る」という事情のこともあるでしょう。

先祖はわかるのか

現在の法律では、趣味などで自分に関係する戸籍を集めるなら「直系尊属」と「直系卑属」についてしか請求することができません。直系尊属の戸籍しか請求できないというのは、簡単に言うと、「親の戸籍は取り寄せられるが、兄弟姉妹、おじ・おばについては請求できない。親の親である「祖父母」や、その親である「曾祖父母」については戸籍が手に入るということです。直系卑属とは、自分の子・孫・ひ孫などです。正当な理由があれば取得できます。

いつの時代の祖先までわかるのか

戸籍は150年間保管されますが、以前は80年経った除籍謄本は破棄してよいとされていたので、既に廃棄されたものもあるかもしれません。

80年すぎれば廃棄してもよかったのであって、必ず破棄しなければならないわけではありませんでした。本当に破棄されていたかもしれませんし、存在していても入手できなかったかもしれません。とにかく現在は150年分保管されという決まりです。もし80年の保管期間が過ぎたときに廃棄されたのであれば、もう取り戻せないでしょう。

150年もあるのなら急いで取り寄せなくても当分大丈夫だと思うかもしれませんが、戸籍に記載があるのは江戸時代の終わり頃からです。江戸時代までさかのぼりたい人は、そろそろ150年経ってしまいます。(明治維新が1868年頃です。)

また、戦時中に役所ごと戸籍も焼失してしまったから不明となっているものもあります。

また今後、法律が変わればどうなるかわかりません。私が学生の頃に入手した親の戸籍と、現在入手できる戸籍の記載内容は結構違っています。廃棄されていなくても記載内容が少なくなっています。とにかく、先祖のことを知っておきたい人、供養する予定のある人は大至急集めてください。「いずれそのうち、暇ができたら先祖供養の準備をしよう」と考えていては手遅れになる可能性が高いです。古い戸籍が欲しい人は、もう既にかなり手遅れなのですが、一刻も早く取り寄せてみましょう。

現在の自分がいるのは祖先がいるから

文化・文政の時代までわかることもあります。江戸時代末期の頃の自分の先祖がどういう名前で、どこに住んでいたかがわかるというのは、とにかく「すごいこと」だと思います。

はるか昔の先祖のことを知りたいという人は、世界中に大勢います。そもそも自分が現在生きているのは、祖先がいたからです。命や生の大切さ、偉大さを感じられるでしょう。
「生に感謝」「先祖に感謝」していると、普通は、利己的なことや他人の命を粗末にするようなことなどはしにくいと思います。自分の子供も人の子も大切に育てようという気持ちになるのではないでしょうか。

行政書士に依頼できるのか

行政書士・司法書士・弁護士などは、業務にともなって戸籍を集める必要があれば、「職務上請求書」という専用の用紙を使って役所に請求できます。これを使うには「本来の業務」でなければなりませんから、

  • 「昔の恋人の戸籍(住所)を調べたい」とか
  • 「貸した金を返してくれない人がいるので、その実家を探してその人の親に相談したい」

というような理由では戸籍などを集めることはできません。

家系図も先祖も不要なのか

「家」という制度がなくなり、「門地」(要するに出身)によって人を有利にも不利にも扱ってはならないということなので、「家系図」というのは不要なはずと考えられているためか「家系図作成」は本来の業務ではないというのが裁判所の見解です。

ただし、本人が自分の都合や趣味で戸籍を集めることは限定的ではありますが認められているので、その範囲で、戸籍集めを人に手伝ってもらうことはできます。ふだん弁護士とか行政書士をしている人が、弁護士業務・行政書士業務としてではなく、お手伝いすることは可能です。

戸籍の読み取り方の相談

戸籍の読み方、請求の仕方の相談だけでもお受けします。
ただし、戸籍の隅から隅まで全部読み解けるとは限りません。場合によっては、人名すらはっきりと読めないことがあります。文字が小さすぎて読めない、かすれて読めない、クセ字で読めない、達筆すぎて(?)読めないということもあります。

さらに、世の中には不正が付きものですので、戸籍をインチキしている(事実や法律の規定と異なる記載)もあるようです。インチキ・不正とは言いにくいのですが、どうしても事情があって、村長や役場の人に相談して、戸籍を書き変えてもらったということもあるそうです。戦争中に、たとえば空中戦から故意に離脱して、海や湖に墜落したことにして、そのまま逃走した人もいるようです。その人たちは死亡したことになっているでしょうが、その後の人生で戸籍がなければ困りますから、きっとなんとかしたのでしょう。そうしますと、戸籍を古いものから順に並べて検討しても辻褄が合わなくなることもあるかもしれません。


先祖探し・先祖供養の戸籍収集

先祖探し・先祖供養の場合には参考資料などをお持ちの方もおられるので、面談にお越しいただくよりも、こちらから出張したほうが便利なことがあります。

  • 土曜日・日曜日・祝日も対応しています。
  • 就業後の19時・20時からでも面談可能です。
  • 面談場所は、通常、元住吉です。
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