Contents
非嫡出子・婚外子
法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子が非嫡出子・婚外子です。詳しくは、【嫡出子】をご参照ください。
同じ男女の間に生まれても、法律上の婚姻関係にあった場合となかった場合で、生まれてきた子の身分が異なるのが妥当かどうかという議論もあります。一般に、「家族」というものをどう考えるかで意見が異なるようです。
認知
生前にも遺言書でも認知はできます。母と非嫡出子は、母が認知するまでもなく、分娩の事実で親子関係が生じます。
相続手続きの際には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取り寄せますので、認知した子がいるかどうかはわかります。
認知は、相続人が複数いる場合には歓迎されないことも考えられますから、遺言で認知する場合は間違いのない遺言書としておく必要があるでしょう。
- その子が成人になっているときに認知するなら、その子本人の承諾が必要です。成人になっていると扶養する必要がなく、逆に、その子が親を扶養する義務が生じるからとされています。
- まだ生まれていない子(胎児)を認知するすることもできますが、母の承諾が必要です。昔、出征兵士が、子の生まれる前に認知をしておくことがあったそうです。
- すでに子が死亡している場合にも認知ができます。その子に子や孫(直系卑属)があるときに限られます。この場合には遺産相続等で代襲相続が認められ、認知の実益があるからです。また、その直系卑属が成年者であるときには、その承諾が必要です。
認知の取り消し・撤回
認知をした後は、その認知を撤回できないようです。しかし、
- 詐欺や強迫によって認知をさせられた場合
- 裁判による強制認知
- 本当に子であれば、認知の取り消しを認めない方が良い
- 本当の子であっても、認知する気がなかったのならその認知という行為は無効
など、いろいろな考え方があるようなので、一概に言えません。
遺産相続
遺言によって認知されれば、その子は出生のときにさかのぼって、遺言者との間に法律上の親子関係が生じます。要するに、正式に親子と認められます。
遺言の効力が発生するまで、その子はいなかったものとして財産等の変動があったかもしれません。突然、その子の出生までさかのぼっては、第三者の権利が害されるかもしれませんので、その場合は第三者の保護を優先します。
遺言によって認知はできますが、認知だけでなく相続分の指定等もしておかないと、遺産分割協議が紛糾するかもしれません。そのように分ける理由等も遺言の付言事項として、相続人に理解してもらえるように書いておくことをお勧めします。